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帝たちが剣神軍と抗争している頃。
鳳仙と反乱軍が『謎の勢力』へ向けて進軍を開始し、聖たちはエルトロードにて待機していた。
エルトロードに待機しておけば、帝たちを仮に剣神軍が抜けたとして、撃退することが出来る。
更に帝たちとの戦闘で傷ついている剣神軍だ。
聖たちならば苦労せず処理することも可能だろう。
布陣は完璧。
そう思っていた時。
聖、アテナ、ヴァン、アトラスの四人が一斉に顔を上げる。
「な、何だ…?」
アトラスが震えた声で呟く。
「こ、この魔力…」
アテナも信じられないと言わんばかりに口を動かす。
「普通の魔力ではありませんね。いや…そもそも魔力と呼べる質ではない…」
分析するように呟くヴァン。
そして。
「外か」
聖は軍事基地からすぐ出られるエルトロード敷地外の荒野に出た。
アテナたち三人もそれに続くようにエルトロードから出る。
すると、何もない荒野には一人の男が歩いていた。
真っすぐと聖達の方向へ。
金色の髪に、金色の瞳。
背丈は180程。
あまり厚みのない体に、黒いスーツを纏っている。
「金色の瞳…?」
聖は眼を細くして男を見る。
金色の瞳を持つ種族と言うのは現段階では確認されていない。
無論広い魔界や神族にはいる可能性もある。
だが、少なくとも聖が知る世界では金色の瞳を持つ種族は存在しない。
そして、金色の瞳の男が聖達に声が届く距離で足を止めた。
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