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「お初にお目にかかりますかね。天海聖くん、神帝の皆さん」
男は軽く笑って言葉を出した。
そして、男との距離が縮まった時聖は目を見開いた。
相手の顔がハッキリ見えたからだ。
「天海…閃…」
そう。
目の前の男は、雰囲気こそ違うが覇王、天海閃とよく似た顔つきだった。
似ていると言うよりは、ほぼ同じといった感じだろうか。
よく知る者でも見わけがつきにくいくらいに、目の前の男は閃に似ていた。
「あぁ、この顔ですか?人間の生み出したクローン技術というものは凄いものですねぇ」
男は自分の体を見ながら楽しそうに呟いた。
「クローン…だと?」
「えぇ。私は天海閃のクローン体を使わせてもらってます」
と、男の言葉にヴァンが口を挟む。
「先ほどから『人間が作った』や『使わせてもらってる』と違和感ある表現をしますね」
「あぁ、これは失礼。まだ名乗っていませんでしたね。
人間名はエルヴィス。天界名はウラノスと申します」
「天界?」
聖が目を細くする。
「おや、ご存じない?貴方がたも使っている世界だというのに、やれやれ」
エルヴィスは頭に片手を当て数回首を横に振った。
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