神帝の扉Ⅱ ～光繋ぎし者達の行進曲～

天の神

「いいでしょう、お教えしましょう。せっかくです、今後相手にする者のことは知っておきたいでしょうしね」

エルヴィスは余裕ある笑みを見せてから口を開いた。

「貴方がたが第四魔法と呼ぶ力。
現界魔法ですか？

その魔法は神たる力をこの世界に具現化する力。

そして、その魔法で呼ばれる者が住む世界。

それこそが天界です」

その言葉に、一同は驚きを見せる。

その場にいる四人の内三人が現界魔法使いだ。

更にヴァンは魔法を研究する研究員。

だというのに、四人ともが驚いた顔をしている。

それもそうだろう。

人間界・魔界・神界の教示に『天界』などという言葉は一切出てこないのだから。

「そして、私たちは天海閃との契約の元、このクローン体に憑依した天界の神ということになりますね」

エルヴィスは自分の胸に手を当ててニッコリ笑った。

「神…だと？」

聖が聞き返す。

「えぇ。天界にいる者は上位種を神、それ以外を天使と定めています」

「確かに現界魔法で呼び出す力は、モノによっては神と称される力を持ちます。

しかし、あなたも神だと言いましたが、ウラノスなどという存在は認知していませんが」

魔法に詳しいヴァンが知らないのだ。

他の者も知るはずがない。