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しかし、エルヴィスは嘲笑うかのように小さく笑った。
「それはそうでしょう。私たちは貴方がたの現界魔法で呼び出すタイプの神ではありません。
現界魔法で呼び出せる神と呼びだせない神が存在します。
これは神本人の意思によりますがね。
私たちは現界魔法などという縛りを受けたくないため契約していないに過ぎません」
つまりはこういうことだ。
第四魔法使いが詠唱と魔力で呼び出す召喚獣たちは、天界の神々、または天使たち。
そして、その神々はそれぞれの意思で人に力を貸し、また現界魔法に反したりしているわけだ。
術者が『選んでいる』のではなく、召喚獣に『選んでもらっている』というわけだ。
「もう一つ。私『たち』と言いましたね?
貴方を含め、天海閃は何体の神をこの魔界に降ろしているのです?」
ヴァンの言葉に、エルヴィスは待っていたと言わんばかりに口元を和らげた。
そして。
「私を含め四人。天界の四神を天海閃のクローン体に憑依させてもらっています」
エルヴィスの言葉に一同は目を見開いた。
神と称される存在が四人もいる。
それだけで脅威的と言わずにはいられないだろう。
「何故閃に力を貸す…?」
聖が奥歯をかみしめながらも、エルヴィスに尋ねる。
「簡単な話です。彼との闘いに敗れた。敗れたからには契約に応じるのが筋というものでしょう?」
「な…に…?」
神四人が一人の人間に敗れたというのか?
だとしたら閃の実力は神を超えた存在と言うことになる。
その事実に聖は驚きを隠せなかった。
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