天の神

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と、そこに。 ヒュッ 風を切るような音と共に四枚の白い翼を生やしたヴァンがエルヴィスの背後に現れた。 「おや?」 エルヴィスが小さく声を漏らす。 ドォン!! しかし、ヴァンの蹴りは完璧にマナによって防がれる。 そして。 懐には巨大な槍を構えたアテナがいた。 「はっ!」 鋭い声と共に、放たれる神速の槍。 ギィン!! 鈍い音を響かせながらマナに防がれる。 「何をやっても無駄ですよ」 「下がれ二人とも!!」 と、空から響く大声。 そこには魔神の力を解放し、黒い翼を四枚広げ、黒い魔力をまとったアトラスがいた。 エルヴィスはアトラスを見た瞬間、目を細めた。 「あの力…」 そして、初めて敵を目の前にするように視線をアトラスに向けた。 すると、アトラスは右手を勢いよく前に突き出す。 ゴォォォォォ!!!! 轟音を上げ、手の平から巨大な黒い閃光が走った。 エルヴィスは空から放たれた黒い光に向かって手を伸ばす。 「天の光よ!」 エルヴィスが叫んだ瞬間、エルヴィスの手の平に直径五メートル程の青い光の盾が展開される。 ドコォォォォォォォ!!! 爆音を上げ、黒い光が青い光の盾に直撃する。 「ぬぉぉぉぉぉ!!!」 叫びながら黒い光を放ち続けるアトラス。 それを無言で抑え続けるエルヴィス。 そして。 ドパァン!!! 爆発するように二つの光は消え去った。 「相殺…ですか」 不服があるのか、エルヴィスは眉を寄せる。 そして、天に浮かぶ黒い翼を四枚生やしたアトラスを睨む。 そして、そのまま小さく笑みを浮かべる。 「これは面白くなりそうですね…。 天海聖、やはりここは退かせていただきましょう」 「なっ!待て!」 「いずれ最高の舞台で再び会いましょう」 それだけ言い残し、エルヴィスは青い光の粒子となってその場から姿を消した。
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