天の神

10/12
前へ
/420ページ
次へ
「私は第四魔法の頂点、神聖霊獣の第五祖プロメテウスと契約をしています。 神聖霊獣は人との通信能力もあります。 私がプロメテウスとコンタクトを取れば行き方は分かります」 第四魔法の極みとも言われる十体の聖獣。 その総称を『神聖霊獣』と称す。 アテナが契約しているのは、神聖霊獣第五祖『天空の煉獄プロメテウス』だ。 神聖霊獣は他の召喚獣と異なり、術者とのコンタクトが取れる。 つまりは人界と天界を繋ぐ通信機の役割も果たすのだ。 「アテナ、頼めるか?」 「えぇ。ですが条件が一つあります」 アテナは聖の前に人差し指を立てて言う。 聖がキョトンとしていると。 「天界へ行く時、私もついて行きます」 「アテナ…」 「私は貴方の守護者です。そのような未知の世界へ貴方を一人で行かせるわけにはいきませんよ」 「なら我々も同行します!」 と、声を上げたのはヴァンだ。 だが、アテナが首を横に振る。 「いえ、ヴァンたちは残ってもらった方がいいです。 私たちの戦いは魔界を救うモノです。 その魔界を放ったらかしにするわけにもいきません。 ヴァンとアトラスには残ってもらって、守護をお願いします。 それでいいですね?聖」 言い終えると聖に確認を取るように視線を向けるアテナ。 すると。 「あ、はい。問題ないです」 言わされるように呆然と言う聖。 聖が認めてしまってはヴァンも言い返すことは出来なかった。 主君が決めたことだ。 聖が意見を変えないであろうことも理解している。 ならば、もう言うことはない。
/420ページ

最初のコメントを投稿しよう!

647人が本棚に入れています
本棚に追加