1459人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
「ふぅ、はぁはぁ。ルネス……そろそろ逃げようぜ。流石に、中級以上の奴らが来たら……まずいじゃん?」
戦闘が始まってからおよそ15分、流石に疲れてきたのか、魔物達が当初の1/4程度、20体ほどに減ったというところで、クリアは提案した。
校舎に意識を向けると、人の気配はない、おそらく、2人が戦っている間に校舎地下のシェルターに避難したのだろう。10歳という年齢で、よくここまで頑張ったといえる。
避難が終わった今、死力を尽くして残っている魔物達を全滅させる必要はない。
また、これ以上戦いを長引かせると、敵の増援が現れる可能性がある。彼ら2人に身体的ダメージはないものの、魔力は多く消費している。
もし敵がこれ以上増えれば、生き残る事が難しくなると判断したルネスは、逃げるという提案に快く賛成しようとした。
しようとしたのだが、ルネスは前方を見つめ、その提案は難しいと思い、呟く。
「逃げれるかなぁ……」
「えっ?……なっ…」
友の発言の意味が分からず、クリアが辺りをキョロキョロと見渡すと、彼らの正面、魔物の群れのさらに奥にソイツは居た。
最初のコメントを投稿しよう!