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クリアとルネスの頬に、嫌な汗が流れる。
五大貴族の跡取りとして幼い頃から毎日訓練を受けているとはいえ、まだ2人は10歳だ。初級の魔物はともかく、中級の魔物を、更にはその中でも上位とされているガーゴイルを倒すたことを想定した訓練は受けていない。連戦で疲れてる今は、尚更倒すことなどできない。
そんなクリア達の絶望感は当然気にかけるわけもなく、ガーゴイルは今にでも襲い掛かりそうだ。
「コイツ相手にさ……どれくらい保てる?」
水練壁で、という意味でルネスに問う。
「五秒くらいだ思う……」
言葉なくとも意味を汲み取ると、自信無さげにルネスが答える。
中級の魔物に対して使用した事がないため、想像で答えるしかない。
「じゃあ……頼む」
何か策があるのか、何を決めた面持ちでクリアはルネスに頼み込んだ。
「分かった。……"水練壁"!!」
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