第ニ節 帰還そして始動

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「キ、キル様!しかし、この者達は正体不明ですし……」  声の主を見て門番は狼狽えた。先ほど少年が口にした名前の本人ーーヴァンス家次期当主のキル・ヴァンスだったからだ。  身長は164cm程度と小柄だが、声と同じく、次期当主に相応しい凛とした顔をしている。髪はショートヘアでコバルトグリーンの髪色をしている。 「通して貰えませんか?」  門番が直ぐに了解しないので、キルは凜とした顔から、にこやかだが威圧的な顔をして言った。次期とはいえ当主になる人間。替えのきく門番程度ならば任意で解雇出来る。 「も、申し訳ありません!で、出過ぎたことを申しました。……かしこまりました」  流石の門番も、次期当主の笑顔の威圧に勝つ事は出来ず、指示に従い青年達を敷地内へと入れた。
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