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「もしかして……クリア兄さん?」
キルは二人をヴァンス邸内へ入れた後、自室に通して椅子に腰掛けさせ話し掛ける。
少年ークリアは、何年も会っていなかったのに弟が気づいてくれた嬉しさと、門番を相手にしなくてよかった安心感からか、満面の笑顔になった。
五大貴族の門番と戦いなど起こせば面倒なことになるのは必須だ。それを回避させてくれたキルには感謝しなければならない。
「キル!流石だ!」
「はいはい、ありがとう、兄さん」
キルは飛び付こうとするクリアをひょいと躱し、話を続ける。
躱されたクリアは壁に激突し、鼻を抑えながらバタンキュ~と部屋の床に倒れた。
「はぁ……。聞きたい事は沢山あるけど、とりあえず貴女は誰ですか?」
いきなり帰ってきた行方不明の兄と行動を共にしている謎の女性。キルが疑問を持つの当然である。ため息をつきつつ、それを第一に確認した。
「……んっ?あぁ、こいつは「私はレイラ。クリアの恋人兼相棒よ。よろしくね~♪」
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