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美しい女性ーレイラはいつの間にか立ち上がり復活をし、自分が聞かれたわけでもないのに説明しようとしたクリアを遮り、ウィンクをしつつ自己紹介をした。
パッと見は綺麗な大人の女性といった感じだが、その仕草には茶目っ気も感じられる。
「恋人兼相棒……ですか」
「うん、そうよ」
訝しげ(いぶかしげ)なキルの質問に、スパッと答える。どうやら冗談などではないようだ。
キルは今年で16を迎え、クリアとは年子である。しかし、どうみても彼女は若くても20代半ば。恋人とはどういうことなのだろうか。
俺が説明を……、説明をしようと……、と勝手に落ち込んでいる兄を当たり前の如くスルーして、キルはレイラと話しを進める。
「では、レイラさん。兄さんとの関係や、今までの経緯等をきちんと教えて頂けますか?」
キルは、レイラの目を真っ直ぐ見て言った。何処にその力があるのか、小柄な彼の目には有無を言わさぬ力強さがあった。普通の者ならこの瞳の前で嘘などつけない。
「勿論いいけど、親御さんの前で言った方が良いんじゃないかな?……扉の前で盗み聞きしてる人!今から会いにいきますので、広間にてお待ち下さい。とご当主様方に伝えなさい」
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