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ヴァンス邸の広間でクリアは、レイラと共にヴァンス家の当主ーガルアとヴァンス夫人ーアリス、つまりは父と母と対面した。
ガルアは深い緑色の髪にオールバック、年齢は40代半ばだろうか。鋭い目付きで厳しい顔をしている。流石はこの街の法の全権を持つ男、有無を言わせぬオーラを放っている。
一方、アリスは青髪の綺麗なロングヘア、三十代半ばでまだまだ美しい。夫とは違い優しい顔をしている。ガルアがムチなら彼女はアメといったように見える。
縦にゆったりめでも5人ずつは座れるであろう大きなテーブル。その上座の二席の入り口から向かって左側に当主、右側に夫人は座っていた。
キルは向かって右側の夫人よりの席に座り、件の二人は当主達の向かいの下座に座った。
「父上、母上、クリア・ヴァンス只今帰還致しました」
一度イスから立ち上がり、床に片膝をついて頭を下げながら報告する。こんな風にキチンとしていると、顔から幼さが消える。
「お帰り……と言いたい所だが、その前にこれまでの経緯とそこに居る方の説明をしなさい」
クリアが座り直すと、゙怒゙という風な雰囲気のガルアが説明を求めた。
彼は若々しく凜としたキルとは違い、剛というような男であり厳格な性格だ。ヴァンス家が街の法の管理者ということもあり、その厳しさは五大貴族一である。
「ハイ。では、まず襲撃の時の事を……」
クリアは、学校を魔物が襲った事と学校を守ろうとした事(本当はただ単に戦いたかっただけというのが主な理由)とガーゴイルが現れ逃げたら市街地に出て、そこで何者かに気絶させられた事を説明した。
そして、一呼吸を置いた後に、気絶した後の事をガルス達に説明をした。
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