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「……という事です、父上」
やりきった!俺は説明を全て、やりきったぞ……!そんなしたり顔をしながら、クリアは言った。
さっきまでのキリッとした顔は何処へいったのやら。
「納得いかないところはあるが、事情は分かった。だが、なぜ今の今まで連絡しなかった。連絡をする機会はいくらでもあっただろう!!」
どや顔をしているクリアを睨みながら、ガルアは怒鳴りつけた。
「だって、連絡したら連れ戻そうとするじゃないですか~。あは」
クリアは笑って、冗談ですよ。と後付けした。
しかし、後付けは意味なさず、クリアの言葉を聞き、ガルスの顔が紅潮する。
「それと、レイラさん。愚息を路上で助けて頂いたことは感謝しますが、その後に自分の都合に子どもを付き合わせるのは如何なものですか。非常識にもほどがある!」
「……も、申し訳ありません…………」
紅潮した顔のまま、額に青筋を浮かばせてガルアは言う。レイラはただシュンとして謝った。
至極正論、間違った所は一つもない。この問題点を的確に躊躇なく突くガルスと話すと、ほとんどの人間は黙って反省するしかなくなる。
そんな赤なのか青なのか分からない顔をしたガルスの事を見て、追及にはいったガルスに意見できる数少ない人間の一人であるアリスがフォローにはいった。
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