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「本当だよ、まったく! ……あ、そうそう、三人にも声を掛けておいたからね」
「おっ、アイツラも呼んだのか」
ルネスが言った三人という言葉に反応する。その三人とはルネスと同様にクリアと親しい人間なのだろう。
「うん!皆も心配してたからね。あっ!か、勝手に呼んでしまって申し訳ありません!」
懐かしそうなクリアに、ルネスは笑って答えたが、ふと気がつき、慌ててガルスとアリスに深く頭を下げた。
五大貴族同士は代々、深い交流を持っており、気心が知れた中とはいえ、他家の人間であるルネスが勝手にヴァンス家の屋敷に人を呼んでしまった。
後継者達だけの場であればまだしも、当主がいる場では失礼極まりない行為といえる。
「クリアを心配しての事ですから気にしなくていいですよ。」
心配してくれて、ありがとう。とアリスはルネスに微笑んだ。
「い、いえ!当然の事です!」
ルネスは思いがけない自分への感謝の言葉に恐縮して、アリスに再度、頭を下げた。
アリスはそれを見て、ふふっと笑う。
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