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「一発、殴らせて貰おうかしら?」
茶髪の少女ーユーティはにんまりとした顔で握った拳を見せながら言う。
「えっ……」
「……嘘よ、そんなに怯えなくてもいいのに」
レイトの後ろに隠れ、本気で怯えるクリア、先ほど本当に殴られて吹き飛んだばかりだったため、怯えるのも仕方ない。
冗談のつもりで言ったユーティは傷ついたようだ。
「二週間遅れ……だよ」
「途中で野暮用ができちゃってさ。ゴメンな?」
よしよしと、クリアが謝りながら白色の髪の少女ーキースの頭を撫でると、少女は気持ちよさそうに目を細めた。先程は無表情に感じたが、親しい相手には笑顔を見せるらしい。
しかし、このクリアとキースのやり取りが、ある人の逆鱗に触れてしまった。
「ねぇ、クリア、二週間遅れってどういう事?もしかして、キースとは連絡とってたの? 」
ある人ールネスは顔を引き攣らせながらも頑張って笑顔を作り、クリアに聞いた。
顔は頑張って作ってるが、怒りで魔力が溢れ、手にはトラウマの水グローブができてしまっている。
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