第ニ節 帰還そして始動

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「……これからお前はどうするんだ。ここで暮らすも良し、別で暮らすも良し、別で暮らすのならば場所は用意しよう」  やっと広間が静かになった時、ガルアがクリアに聞く。  もう後継者ではないクリアを無理に屋敷に住まわせる意味もないため、住む場所は本人に任せることにしたのだ 「用意してくれると助かります。広くても無駄なんでアパートとかで良いです」  全く悩まずに、クリアが言う。6年間も旅をしていた彼に、今さらヴァンス家に居座ってどうのこうのしようという気はさらさらない。 「そう言うと思って、お前の為にボロアパートを用意してある。ただし、学園にはちゃんと編入してもらうからな。分かったか」  都市の人間で魔力が一定量以上ある者はルネス達と同じ教育機関に在籍する義務がある。この義務はクリアにも存在するため、編入という形で入る以外選択肢はない。 「えっ、ボ、ボロ……?あ、あぁ分かりました。それじゃあ、俺はボロアパートに行きますね。レイラ!行くぞ~。じゃあな、キース」  ボロという言葉に一瞬驚くクリアだったが、ガルアの質問(命令)に返事をした。 「あ、ハーイ。バイバイ、キースちゃん!」 「……バイバイ」  キースと戯れてたレイラは、クリアとともにアパートへ向かった。
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