第ニ節 帰還そして始動

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     * *  クリア達が住む都市から西方に50kmほど離れた場所にある洞窟に、幾千の魔物が燃え盛る火を中心にして集まっていた。  火の傍らには、人の形をした者達が数人立っている。 「皆ども、計画は遂に始動段階に入った」  リーダー格と思われる男が周りの魔物たちに向けて言う。 「ああ、だが我々が準備をしている間に奴らの戦力は上り、五大貴族の跡取り達も成長してしまった。遅れを取るとは思わないが、慎重にいくべきだ」  もう一人のリーダー格の女が、男に注意を促す。計画とは何を示しているのか。  その二人に対して、別の男達が口を開いた。 「俺達が跡取り共を始末しよう」 「おぅ!任せな!全員殺してやるぜ!」  細身の男が話すと、続いて体格のいい男が大きな声を上げた。 「……分かった、頼んだぞ」  リーダー各の女の言葉で話し合いが終了すると一瞬にして火は消え去り、集団は闇夜に溶けていった。
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