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「行きたいけど、街を見回ってお店がどこにあるか確認しないとだし、それと学園には部外者は行っちゃ駄目なんしょ?」
「まぁ、そうだけど……」
正論を言われてしまい、言い淀んでしまう。
いつもならルールなんて気にしない癖に。そう言いたいが、寂しさが伝わってしまうためにクリアは口をつぐむ。
「もしかして、私が一緒じゃないと寂しいの?」
「ち、違っ……!」
気持ちを察したのか、クスクスと笑って言うレイラに対して顔を紅くして答える。
「じゃあ分かった。街に慣れたら行くね!」
「……了解。ご馳走様でした!!行ってきます!!」
改めて行くと言われると照れが生じたが、それと共に嬉しさが込み上がる。
「お粗末様、行ってらっしゃ~い」
ドアが閉じるまで手を振り続けたあと、レイラはテーブルの食器類を片付け始めた。
「ふぅ、こんなに良い街を…………」
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