第ニ節 帰還そして始動

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「集合場所は此処だよなぁ」  待ち合わせ場所に指定された駅の構内を、クリアは彷徨っていた。今は登校前で一番混む時間であり、構内は生徒でごった返していた。  学園には登下校専用の列車があり、生徒たちはこれに乗って通うのだ。  かれこれ10分は、ウロウロと構内をさ迷っている。 「おっ、キース~!」 「おはよう……」  更にウロウロチョロチョロしていると、視界にキースの姿が映った。  クリアと同じ新品の制服に身を包んでいる。 「よしよし。皆は?」 「もう……列車の中……だよ」  キースは気持ちよさそうに目を細めながら答える。一人ここで待ってくれていたようだ。  彼女はなぜか小さい頃からクリアにとても懐いていた。 「うし、行くか」 「……うん……」  二人は手を繋いで列車の中へと入っていった。
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