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クリアは学園長室を探して校内をうろうろする。だだっ広い校舎内は初見では迷路のようだ。
一応、ガルスから予め学園長室に行く為の校内の地図(手書き)を貰ったのだが、その地図が非常に見づらい。
「学園長室……学園長……学園……おっ、あった!失礼します!」
見づらい地図を活用していると遂に学園長室を見付けることができた。
ノックを3回してから、中へ声をかける。
「どうぞ」
室内からの返事を聞いた上で、扉を静かに開けて、キチンと扉の方を向いて両手で閉める。
「失礼いたします!初にお目にかかります。ヴァンス家長男、クリア・ヴァンスです」
両手をまっすぐと身体の両側に置き、足を揃えた直立不動の体勢で口上を述べる。
室内には、30代前半程の男性が部屋の奥にある仕事机越しに椅子に座って居た。
いや、流石にその若さで学園の長には成れるはずが無いため、本当は見た目よりもずっと年上かもと思われるが、一本も白髪の無い髪と皺の少ない顔はとてもその男性を若く見せた。
「言葉を楽にしてもいい。学園長のリートだ。君のことはガルアさんから既に聞いている。だが、実力は確認させてもらう」
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