第ニ節 帰還そして始動

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     * *  キルは椅子に礼儀正しく座り、読書をしていた。  読書と言っても、1ページ読むのに10秒も要さない。従って、普通の人には流し読みしている様にしか思えないだろうが、彼は読んだ内容を全て理解・記憶しているのだ。  パタンッ……ガラガラ  丁度、本を読み終わった時に担任が入って来た。 「上級生として自覚を持ち……」  入学式というのもあり、担任の話は早く終わり、キル達は体育館に移動した。  学園側の意向なのだろう、キルにレイト、ユーティ、ルネスの四人は、同じクラスである。  ちなみに、キルは外三人とは一つ歳が違うのだが、飛び級で同じ学年にいる。  キースも同じように飛び級を使っており、入学式である今日だけは一年生だが、翌日から二年生となる。なお、彼女は本来ならば、中等部入学の歳だ。  飛び級は実力によって高等部二年までは飛ぶことが可能だ。高等部二年からは本格的に魔力を使った授業や訓練を行うために二年と三年は飛ばすことは出来ない。そして、あくまでもキルとキースは実力で飛び級となっている。五大貴族という肩書は関係ない。
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