第ニ節 帰還そして始動

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     * * 「ここか……」 「ふぅ、来んのに手間取ったなぁ」  高さ20mほど、セイン学園の外壁を前にして、全身が濡れた二人の男達が立っていた。一人は身長160cmほどの華奢な男、一人は身長180cmほどの大柄な男だ。  セキュリティの一環として、学園は岸からおよそ1000m、水深500mほどある湖の中央に建っている。このため、登校のための専用列車があるのだ。  しかし、専用列車はHRの時間を過ぎると下校の時まで動かない。つまり、この男達は列車に乗らずに来たということ。  全身が濡れているという事は、男達は泳いで外壁まで来たのかもしれない。 「さて、どうやって中に入るか。壁を登るのはさすがに怠いな」 「俺が破壊するか!?」  大柄の男が、ワクワクした様子で言った。 「騒ぐのは学園内に入ってからにしろ、侵入する前にバレると学園側が壁の結界を強化する可能性があるから面倒だ」 「分かってるって、一撃でやれば良いんだろ!?」 「確かにそうだが、今言ってるのはそういう事じゃない。お前のそのテンションを……」 「あぁ?何か言ったかぁ?」  華奢な男は頭を抑えながら一言呟いた。 「はぁ、好きにしろ……」 「ハッ!その言葉を待ってたぜ!宣言どおり一撃で決めてやる!」  大柄の男は学園を囲う壁を破壊する為、魔力を貯めた。
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