問題児の風紀委員

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「てめぇ、二年だろ」 だから何だって言うんだ… 「先輩に対する言葉使いってのを教えてやるよ!」 「って!」 俺は肩を掴まれ、連れて行かれようとする。多分校舎裏…かな? 「おいコラ貴様!!」 甲高い声が、ヤンキーの足を止める。 「あ?んだてめぇ?」 「二年の波坂(ナミサカ)だ」 ん?何か聞いたことあるな。たしか… 「なんだよネエちゃん」 ヤンキーの手が波坂の肩に触れる。 「不躾だ!!」 俺は人がその場で半回転して落ちるってのを、初めて見た。 「グブゥッ!!」 「まったく」 あぁ、思い出した。確かスカウターが壊れるくらい戦闘力が高い女子生徒がいるって噂。それが確か波坂だったっけな。 「君、大丈夫か?」 つーか何で俺を助けたんだ? 「別に、どうってことはなかったし」 「そうか、ならいいんだ」 そう言うと波坂は踵を返し、スタスタと去っていく。 わざわざ俺の為に寄り道か?ご苦労だな。 「面倒事も片付いたし、早くお家に帰ろう帰ろう」 そんなこんなでお家に到着。 「ただいまぁ~」 「お帰りなさい」 奥から母親の声が聞こえる、恐らくリビング辺りに居るのだろう。 「どうだった?進級して初めての授業は」「最っ~~高にダルかった」 「そう、いつも通りね」 「風紀委員になってしまった」 「そう、いつも――へ?」 「無論俺の意思ではない」 「にしてもよく引き受けたね」 「半ば強制だったんだよ。つーか委員の仕事やる気ねぇし」 「なによ、折角撰ばれたんだからやってみたら?」 「ハハハ!絶対YA☆DA」 「んもぅ…すっかりひねくれた息子に育ってしまって」 「俺は満足だ」 「親の身にもなってよ」 「まいいや、飯になったら呼んでくれ」 「はいはい…全く…何がいいんだか……」
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