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「どっわ~~~~!!」
ここはとある山奥、そこに大声をあげて走る一人の少年がいた。その後ろからは山の斜面を物凄い勢いで大岩が転がってきている。少年は大岩から逃れるために文字通り必死に草の生い茂る道を走り抜けていた。
「やばいっ!!死ぬ!!これ死ぬから!!ってぬぉっ!!」
少年の外見は茶髪に丸みのかかったツリ目で悪戯好きの活発そうなイメージを与えられる顔立ちだ。身長は10代後半の平均程度だが体格は筋肉がしっかりとしていて中々鍛えられているようだ。赤色のジャケットに皮のズボン、背中には身の丈より長い棒を背負っている。
この少年は山の近くにある村に住んでいて、名をレンという。
レンは村人の依頼で栗を拾いに山にきていたのだが…
「何が危なくない栗拾いだ!!トラップばかりじゃないか!!」
ゴロゴロゴロ
大岩は周りの木をなぎ倒しながらジワジワと攻めてくる。
依頼主に渡された地図通りに進んできたレンなのだが、その途中で熊に襲われたり、橋が落ちたり、穴に落ちたり、地面に落ちているたくさんの木の実に足を滑らしたりなど等…極めつけがこの大岩である。トラップではなく、自然現象―むしろ不運だろう―なのだが これだけの目にあえば愚痴の一つはこぼしたくなるだろう。さらに目的地までの距離も山道もかなり厳しく、鍛えていなければとっくにへばっていてもおかしくない。
ここまでたどり着いたレンの体力はなかなかのものであること言えよう。
しかし、どんなに鍛えてようがいまいがこのままでは大岩につぶされてジ・エンドになってしまうだろう。
「うおわっ!!・・・このままじゃまずい!」
小石につまずきかけながらもレンは脱出方法を考え始めた。跳んで避けようにも大岩のスピードが尋常ではない速さのため、少しでも走る速度を緩めればあっという間にペシャンコだ。ならば、粉砕するか・・・いやいや、普通に考えて無理だ。
そうこう考えてるうちに大岩の加速は続き…
ゴロゴロゴロゴロ
「・・・ん?うぇっ!!」
グシャ
大岩は軽くレンを踏み潰していくとそのまま斜面を転がっていった。
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