22人が本棚に入れています
本棚に追加
寂れたと言う表現がピッタリの公園に車を停める。
所々に自作であり力作であろうペーパーハウスが目につく。
彼「ちょっと待ってて」
車を降りて、共同団地もとい公園へ入って行く彼。
1分も経たないうちに、両手に鞄を持つ彼と、
ゴミ袋を両手に抱えた…
ずんぐりむっくりが車に近付いて来た。
アタシのささやかな希望『男前』は音を立てて崩れ去った。
まぁ、しゃーない。
人生こんなもんや。
自分で自分を励ますアタシ。
3週間の我慢やし。
住む所無くて大変やろうし。
トランクに荷物を積み終え、彼が運転席に乗り込み、後部座席にTが乗り込んでくる。
彼「俺の女、Tの一個下やわ」
T「…ったぁーす」
……はぁ!?💢
今、コイツ何て言った?
彼「これが言ってたT」
ア「ふーん」
素っ気なく言ってやったさ。
『ったーす』て何え?
ハロウィン邪魔して
迎えに来たのに
『ったーす』!?
な め ん な よ 💢
Tは後部座席のど真ん中に座っているらしく、
運転席と助手席のシートに手をかけてくる。
Tが動く度に
右肩が動く。
…てか、
『すいません』の一言すら無いんか?
彼に言ったなら良しとしても、アタシも住んでるんやけど?
右肩が動く…
右肩が動く…
右肩が動く…
コイツどんだけ車の座席掴むねん💢
うっとーしー💢
これは言わなアカンやろ…
とは思ったものの…
公園で寝んで済むって思ったら嬉しいんかなぁ…
と思い、言うのはやめにした。
最初のコメントを投稿しよう!