第2話 席替え

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★ この高校はどうやら数学の時はα、β、γとクラス分けするようだ。 充と武は数学の宿題の頑張りに免じて最もレベルが高いγクラスと言われた。 「では、今日はここまでだ。号令はいいからもう休憩に入りなさい」 数学の授業が終わり、室内はざわめき始めた。 中には会話で今日の授業難しかったと聞こえる時もある。 「なあ、充…」 「ん?何だ?」 「あの最初の宿題全部解いたせいか、物凄く味気なく感じるんだけど…」 「ああ~、それは俺も同じだ…。ところで、次の授業なんだっけ?」 充は首を傾げる。 「確か…、席替えだったような…」 「席替え!?もう!?」 「だってもう6月だよ」 「え?」 武の言葉に充はカレンダーを見つめる。 確かに6月だった。 時間の流れは速いな…、と充は思う。 「そして、それが終ったらいよいよ弁当の時間だ~!」 「そういえば、お前が早弁しているところ見たことないけど、何でしないんだ?お前が一番しそうなのに…」 「考えてみてよ、早弁って時間が限られてるじゃん。たったの10分しかないんだぞ!?オイラは限られた時間の中では食いたくない。全然おいしく感じないもん。それに比べて昼休みは40分もあるんだよ!時間なんて気にせずに食べられる。それに少しでも腹空かしてた方が更においしく感じるしね!」 すると、終わりのチャイムが鳴り始めた。
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