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「あ、鳴ったな…。じゃあ席戻るか…」
生徒達が自分の席に戻り始める。
そこに先生がやってきた。
「もうみんな知っているとは思うが、席替えをすることにする。出席番号順にくじを引いて、番号を確認したらそこの席に移動するように…」
「はい!」
生徒達は返事をする。
そしてくじ引きが始まった。
★
くじ引きをした結果、充は38番、武は2番を引いた。
因みに武の元々の席は番号で言うと1番、つまり1個後ろに下がっただけという微妙な結果に終ってしまった。
武はその時、違った見方が出来るから良い、とかなりポジティブな発言をしていた。
一方、充の元々の席は4番だったため、かなり移動し、廊下側の席から窓側の席になった。
しかも後ろ側だ。
窓側でもあり後ろの席、ある意味生徒達の人気の席でもあった。
よくマンガやアニメなどで席替えした後、隣の女子と結ばれる話とかあるけど、あいにく充の席の隣は誰もいない。机と椅子だけだ。
「まあそういう話は信じないから良いんだけどね…」
充は呟く。
しかし、充はまだ知らなかった。
この空白の席によって充の心が大きく変化することに本人はまだ気づいていなかった。
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