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直刃は狙い過たず、星の間を抜けて黒白の魔女を目指す。
「そんなもん、目を瞑ってたってよけられるぜ!」
それを軽々と避け、余裕の表情を見せる。
だが――
「後方注意だ」
バヨネットは空中で静止、反転して、魔女の背中を襲う。
「な……にぃ!?」
間一髪で避ける魔女を、さらに刃が追う。
静止からの反転ではなく、旋回し、回り込み、死角からの刺突を繰り返す。
「3本追加」
勿論、それを黙って傍観していたわけではない。
さらに袖から抜いた3本に同様の文字を書き込み、散発的な射撃をこちらに見舞う魔女に追撃を放つ。
合計4本。
「さらに……」
魔女の実力を試す意味で、もう3本を抜いたときだ。
「あぁもう、ウザったいんだぜ!」
魔女の手には、いつの間にかカードが握られていた。
「魔符『スターダストレヴァリエ』!」
瞬間、星が瀑布のような勢いで放たれ、バヨネットを弾き飛ばしこちらへと雪崩のように押し寄せてくる。
先程の弾幕とは密度も速度も、そして威力も桁違いだ。
「ちぃっ!」
舌打ち。
左手指の間に挟んだ3本に強化の魔術を施し爪のように振るい、星形弾幕を切り落とす。
「弾幕は火力(パワー)だぜ!」
どこの火力偏重主義者だ!
心の中でのみ罵りつつ眼前の対処に集中する。
色とりどりの弾幕に終わりは見えず、このままでは埒が明かない。
……ならば!
「天は戦う この夢を守り!」
切り落とす左腕は止めず、謡う。
それは俺の、現状打破への布石。
「白にして夜明けの我は精霊(リューン)に命じる 完成せよ」
その名は――
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