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ふと、脳裏に閃くものがあった。
俺、最高!
上着裏の隠しポケット。
一枚だけ仕込んでおいた切り札を切る。
「このくらいの魔力量ならいける!」
眼前に迫る極太熱線にそれを叩きつけるように掲げる。
「頼むぞ、吸魔符!」
テレホンカードサイズの、まさに切り札。
それはその名の通り、
「な……、マスタースパークが!?」
魔力を吸収する。
触れる直前から、熱線は符に飲み込まれていく。
排水溝に流れ込む水のように、その光と熱さえも。
「悪いな。これが俺の勝負手だ」
暴悪な火力の権化を食いつくし、吸魔符はその力を得る。
術式の構成を模写、模倣し、完璧に近い複製を作り出し尚且つ、俺に負担を返さない自慢の魔術兵装だ。
符が自壊していくことを術式の行使代償とするため、弾数制限はつくが。
「で、まだやるか? やるならさっきのやつを乱打でいかせてもらうぞ?」
その場合、20はいける。
「いや、止めておくぜ。今回はあたしの負けだ」
あっさりと認め、地上へ降りてくる。
その顔には、ありありと浮かぶ好奇心。
「なぁなぁ、お前も魔法使いだろ? さっきのマスタースパークを吸い込んだやつってどんな魔法なんだ? あと、お前の能力は? 能力!」
いや、まず名前から聞かないか? フツーは。
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