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「お賽銭入れてくれたのはあなたね!? ありがとう!」
いや、どんだけ喜んでんだよ! 俺の両手を上下に振りすぎだよ! 空気摩擦で熱いよ!
「上がっていって! お茶と羊羹くらい出すわ!」
そう言って俺をズルズルと引き摺っていく巫女さん。
あれ? 巫女服って腋露出するもんだったっけ?
いいや、帰ったら壬生屋に聞こう。
「あぁ、と……、申し訳ないんだが、ここはどこで、君は誰かな?」
無駄かもしれないが、巫女さんに声をかけてみる。
人の話を一切聞かない、ゴーイングマイウェイな人じゃないことを祈りつつ。
「ふーん。ここ知らないってことは、あなた外来人ね。いいわ、説明してあげるから大人しくついてきなさい」
こちらを面白そうに一瞥して、俺を引き摺っていく巫女さん。
まぁ、状況を説明してもらえるのは有難いけど、引き摺るのはやめてほしぃなぁ。
今は大人しくついていくしかないんだろうけど、なんだかなぁ……
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