初めての博麗神社

2/4

284人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
先程の巫女さんに中へ通され、日の当たる居間らしき部屋に案内される。 んで、座布団を勧められ、お茶を勧められと歓待を受けたり。 巫女さんて認識でいいのか、あれ? 茶菓子を取りに行く彼女の背を見ながら思う。 腋露出だわ緋袴てかスカートだわで、俺の知ってる巫女とはえらくかけ離れているような、いないような…… 「はい、お茶請けは羊羮でいい?」 目の前に置かれたのは栗羊羮。 根っからの甘党である俺に、断る理由は微塵もない。 羊羮を一口いただき、茶をすする。 舌が痺れるほど熱いほうじ茶。 「む、旨い……」 思わず声が漏れる。 対面に座った彼女も、同じように茶を飲んでいる。 彼女の茶請けは煎餅だが。 「さて、と」 湯飲みを置いて、彼女がこちらを見た。 そろそろ、現状を説明してもらえるということだろうか。 「まず、ここはあなたがいた世界ではないわ」 あー、うん。そんなことだろうと思った。 「驚かないのね? それとも、信じられない?」 彼女の問いに苦笑を返す。 「いや、こういうことには慣れてるから。時空やら空間の裂け目に飲まれたり、誰かに頼んで送ってもらったり、WTGを使って自力で、とかね」 思えば、同じ世界に5年と居ないんだよな俺。 今までのことを思い出すと、苦笑やら溜め息やらで山ができそうな勢いだ。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

284人が本棚に入れています
本棚に追加