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「うるさいっ!」
勢いよく、魔女コスプレが立ち上がった。
思いの外無傷で、顔中に畳痕がくっきりと残っている程度。
ちっ、まだ甘かったか。
「お前こそ、女を顔面から床に叩きつけるかフツー!」
「はっ! 魔術師ってのは基本フェミニストなんだよ知っとけ!」
「難しいこと言って正当化とか、最悪だぜお前!」
「あっ!? 人の後頭部に致死性の一撃かます方が最悪じゃろがい!」
「生きてんだろが!」
「たまたま運がよかっただけです~!」
にらみ合い、罵詈雑言と唾を至近距離で飛ばし合う俺と魔女コスプレ。
霊夢は勝手にやってくれと言わんばかりに茶をすすっている。
「こうなったら弾幕ごっこで勝負だぜ! 表へ出ろ!」
「おお、上等じゃねぇか! 襤褸雑巾みたいにしてやっから覚悟しとけ!」
「言ったな! あたしのマスタースパークで、つきまで吹っ飛ばしてやるぜ!」
「ああっ!? マスタースパークだかジゴスパークだか知らねぇが、全弾弾き返してやんよ!」
売り言葉に買い言葉で外へ出る。
この女、叩き潰してくれる!
「あ、そう言えば深也、弾幕ごっこのルールとか知らなかったような……? ……まぁ、いいか」
霊夢の呟きは、頭に血が登った俺の耳に入ることはなかった。
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