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船室には窓はない
あるのは天井からぶら下がってる豆電球だけ
ゆらゆらと揺れる電球の明かりに小さな羽虫が舞っている
なんだか頭上でこつこつという音がする
誰かいる…
しかも、普通の靴じゃなく
軍靴みたいな…
声を殺しながら、俺たちは顔を見合わせた
「どこにいくんだろうな…」
タカヤは急に真顔になると、アイマスクをして、寝たふりをした
俺も咄嗟に倣ってアイマスクをした
闇の中で、誰かが起き上がったことを感じた
「誰か…誰か?」
女みたいだ。混乱しているらしい
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