宣告

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小さくざわつく声が聞こえた 数人、起きたんだろう すると、再び船室のドアが開いた 錆び付いた蝶番の唸る音がする 「お前ら、下手に騒ぐと、さっきのガキみたいに海に投げ込むぞ。わかったな」 船室の中はしんと静まりかえった 「悪いのはお前らなんだからな。わかってるだろうがな」 吐き捨てると男は乱暴にドアを閉めた 部屋の中で数人がしくしくと泣き出す 計り知れない恐怖 タカヤは俺の隣にちょこんと座った 「死にたくなければ、ここでじっとしてるのが一番だ。くわばらくわばら」 「やだ…もう帰りたい…」 「やだよぉ…助けてよぉ…」 泣きながら訴える声に反応し、軍靴がどかどかと船室に入る 「貴様ら!まだわかってないようだな!?」 ゴム製のブラックジャックと呼ばれる拷問用具で誰かを叩く音がする ひとり またひとり 泣き声が消えていく
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