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だいたい、半分くらいが一気にいなくなったようだ
船室の外からは何かを投げ込む音が次から次に聞こえてきた
俺は耳を塞ぐ
アイマスクのあいだからタカヤを見ると、相変わらず大きな欠伸をしている
その隣でぶるぶる震えている女が一人いる。はっきり言って、目立たなそうな地味な女。一重で垂れた目、微かににきびが目立つ
タカヤはその女の頭をぽんと叩いた。女は少し安心したような顔でまたアイマスクをした
「彼女か?」
タカヤは言った
「まさか、今初めて話したばっかだよ。お前、名前は?」
ちょっと舌足らずなしゃべり方で話しはじめた
「高円寺、理名…神奈川の高校二年…」
「タメだな。ここにいるやつらは皆そうみたいだな。俺はタカヤ。こいつはカズシだ」
タカヤは紹介した。誰とでも仲良くなれるタイプらしい
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