8090人が本棚に入れています
本棚に追加
/477ページ
…なんとなく嫌な予感がしたんです。
『後5分ねばれ。』
と電話越しのヒロの制止。
…ダメ。なんか堪えられない。
立ち上がった途端…
『マイ、逃げろ!』
ヒロの叫びが聞こえました。
証拠品をかき集め、指紋がつかないようにドアを開けて。
…でも、道路につながる階段にはすでに制服警察がいました。
…逃げられないよ。
ジャッジしたあたしは、証拠品を捨てました。
そして、あたしを逃がそうと警察に詰め寄るヒロとの間に割り込みました。
今ならあたしだけですむ。
ヒロは、逃げて。
あたしを庇おうと必死のヒロを、クルマの方に突き飛ばし…顎をしゃくって合図しました。
ヒロに『逃げろ』と言ったら共犯者だってバレる。
なるべく暴れ、抵抗して…
ヒロがクルマに乗ったのを確認して、大人しく逮捕されました。
生まれて初めての手錠…
意外と、軽い。
パトカーの中で、ヒロに繋がる携帯を二つに割りました。
最初のコメントを投稿しよう!