情状証人として。

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アクリル板越しにしか会えない今は、ゴマカシも通用しない。 足りない言葉は即不信感に繋がります。 …実はあたしはあまり自分の気持ちを伝えるのが得意ではないのですが、出来る限り努力をしました。 …こんな小説まで書いておいて、嘘みたいですが。 照れ屋が災いして、言いたい事を言えなくなってしまうんです… 今日は照れ屋のあたしにはお留守番してもらって。 「仮釈貰えば成人式間に合うよー。真面目に頑張れー。帰ってきたらいない間のお小遣いまとめてちょうだいねー。」 …どこかふざけてて、現金な長女の言葉と。 「パパ、おしごとがんばってね!」 無邪気な次女の応援と。 …8年でも10年でもあたしは変わらない。 頼りないかもしれないけど、いない間三人の子供達はあたしが守る。 だから…ヒロは心配せずに、無事故で務めて…一日でも早く帰って来て。 みんな待ってるから。 ヒロもあたしも不幸じゃない。 犯罪を犯してしまったのに、服役が何年になろうと…『帰る場所』を失わずにすんだんだから。 その幸せを大事に思えば、やり直せるよ、きっと。 …本当なこんなにスラスラとなんて言えなくて、最後には若干キレ気味の口調になってしまって… 「つーかなんでお前キレてるんだよ。キレどころがわかんねぇ。」 と苦笑いされたけれど。 気持ちは伝わった…と信じています。
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