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相模原家は古くは藤森の分家筋に当たる。幼い頃から裏藤に属していた悠久と同じように、藤も情報収集能力に秀でていた。
『あれな、デマだ』
「――はっ!?」
肯定的な言葉を待っていた悠久の耳に届いたのは、またしても衝撃的な真実(モノ)だった。
思わず口を押さえ顔を上げると、宣之や相模原が訝しげに此方を見ている。説明しようと口を開くが、上手く言葉を繋げない。
そんな悠久の様子などお構い無しに、藤は淡々と電話口から話し続けていた。
『――つまり、だ。今、そっちに流れてきた情報は本当にあった事件をメディアから、世界から遠ざける為に犯人が仕込だ誤報っつー訳だ。ハル。情報を聞いただけで、事実確認はまだなんだろ?』
「……そりゃ、藤森の屋敷から官邸に向かう所だからね」
ようやく動かした口からはため息が大きく出た。落ち着こうにも、事が大き過ぎる。
『恐らく、亘兄ぃんとこにもそろそろ連絡が行くと思う。本来の情報は、もっと……残酷なモンだからな』
「一体何が――」
『……日本時間、午後七時に発生したのは無差別テロなんかじゃない。――世界各国の要人暗殺だ』
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