プロローグ

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2001年12月26日横浜基地 【?】「夕呼さん……」 【夕呼】「戻りなさい。“ここ”で貴方に出来ることはもう無いわ」 【?】「わかりました。こちらを……」 彼はそういうと夕呼に“あるもの”を渡した。 【夕呼】「タイミングは?」 【?】「最後の移民船出発でお願いします」 【夕呼】「わかったわ」 夕呼はそれだけ言うと彼に背を向けた。 【?】「失礼します」 彼は夕呼に最敬礼して部屋を後にした。 【夕呼】「いつも敬礼はいいって言ってるでしょ……」 彼が部屋を出て数十分後、夕呼は彼から受け取った物を持って最終便に向かった。 【?】「……“また”後で先生」 彼は戦術機の中から最終便の出発確認をするとそのまま衛星軌道上まで“上がった”。 【?】「時間だ」 オルタネイティブⅣ予備計画―オルタネイティブⅤ。移民船脱出、そして米軍が保有する全G弾使用でのハイブ纖滅。 重力汚染によって滅びの一途を辿る世界。 そんな中、オリジナルハイブに向かう戦術機一機。 レーザー属種がいない分、彼にとっては侵入など容易いことだった。もっともレーザー属種がいたとしても同じことだが……。 【?】「あれだけG弾を浴びながら、まだこんなにBETAがいるとは……本当に恐れ入る。物量が最大の脅威とは昔の人は良いことを言ったな~」
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