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「アルツハイマー…?」
「えぇ。若年性アルツハイマーです。最近増えてるんですよ」
アルツハイマー
それは俺たちの年代じゃまだ無関係のものだと思ってた
なのに
葵くんの脳細胞は萎縮して、機能しなくなって
酷く辛い現実だった
「うそでしょ?」
「嘘じゃありません。彼の脳は」
といってMRIで撮られた葵くんの脳の断面図
隣に健常者の脳の断面図が並んだ
見た瞬間かなりの差があった
「現実です」
「……そん、な」
なにも知らない
なにも気づかない彼はきっと今
隣の部屋で
「あの、治らないんですか…?」
医師はさぞかし辛そうに悲しそうに顔をゆがめて首を横に振った
あの病気は治らないという
でも治療薬はあるらしい、が今は取り寄せている段階。だから薬が届いたら連絡をくれるようだ
「そうですか」
「健闘を祈ります」
医師は言った
俺は困って笑った。
隣の部屋に居た葵くんは俺を見つけてふにゃりと笑った
とても泣きたくなった
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