影の使い手

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《また出現!目的は一体?!》 新聞の一面にでかでかと書かれているタイトル。 毎日ほぼ同じタイトルで正直飽きた。 「はぁぁ……」 新聞をばさりと床に投げ、ソファーにばったり倒れこむ。 彼女の長い茶色の髪がパサリと床に垂れる。 「はぁぁぁぁぁ……」 またため息が出る。 先ほどからため息しか出てこないこの女。 名前は黒峰亜弥乃。 通信制の高校に通う二年生。 特徴を言うと、茶色い長髪。目も綺麗に茶色。身長は平均より下でよく中学生に見られる。 ちなみに一人暮らし。両親とはとある理由で決別した。 夢なし。希望なし。男なし。のなし崩し三拍子のダラダラ少女。 そんな彼女だが、最近はものすごく疲れる出来事…最早、事件といってもいいことがあった。 『ため息ばかりだな…』 亜弥乃以外誰もいない部屋から男の声が響く。 その声にピクリと反応した亜弥乃がゆらーりと顔を上げる。 「お前のせいだお前のー…」 ―だからため息しか出ねーんだよ…。 恨めしげに誰もいない空間に文句を言う。 旗から見れば一人でしゃべってる怪しい人だ。 でもいるのだ…この部屋には。もう一人… 「どうしてこうなっちゃったんだよぉぉ」 また呟く。 ―あぁ。そっか…すべては、あの流星群の夜…だよなぁぁ… .
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