影の使い手

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自分に当たったなんて誰が気がつけるだろう。 たぶん誰もいない。 いたとしても信じたくないだろう。 夜空に輝くあの星が自分に当たるなんて。 でも、それが自分に起こってしまった。 気がついたら真っ暗な世界にいた。自分の周りにしか光がない。 というか、自分が光ってんのか?! 「…なんじゃこりゃ…」 とりあえずしゃべっておく。そうでもしないと正気が保てそうにない。 『私の声が聞こえるか…』 ぐるぐると見回してたとたん男の声が空間に響いた。 「へ?!ど、どこ??」 驚いて若干腰が抜けかける。 『俺に実態はない。お前の力を借りたい…』 また声が響く。 「は!?何その唐突な願い!?」 友達に言うようについつい突っ込んでしまう。 あまりにも唐突過ぎから仕方がない。 『今、お前の世界と他の世界がぶつかり合おうとしている…。その影響で異世界の邪悪なものがお前の世界に入り込んだようだ…。 取り除こうにも俺には実態がない。頼む…その邪悪を取り除くのに力を貸してくれないか』 男の声が懇願するように言う。 「いや…あの。それを信じろと…?」 無理だろー。 異世界ってなんぞ? つか、そんなものあるんだー。マンガみたい… 『信じてくれ…!』 また声が懇願する。 「えー…」 でも、よくよく考えるともうこの状況が既に異常だし…。 この世界を救う為ねー…。 ちょっとおもしろそうでは…ある…! そう思って二つ返事で答えてしまった。 「いいよ。協力する。なにすりゃいいの?」 『!感謝する…!簡単だ。俺の力を使って邪悪と戦うのだ』 …はぃ? た・た・か・う? …… 今…何とおっしゃりました? 「戦うって、わ!ぎゃー!」 叫んだ時には目の前が真っ暗になっていた。 『俺はナイトメア。よろしく頼むぞ。黒峰亜弥乃』 なんか悪魔と契約した気分だぁぁ!てーかしちゃっか感じか!?コレ! 私ってばどうなんのぉぉ!! .
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