影の使い手

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『おーい…大丈夫かー?』 なんか、遠くで声が聞こえた気がした。 うぅ。と呻いて立ち上がる。 やけに頭が重い気がする。 『よかった…』 立ち上がったのにほっとしたような声が響く。 「あいたたた…何してたんだっけ…」 頭をさすって辺りを見回す。自分の部屋にいる。 …いや、そりゃ当たり前だよ… あれ?なんか、大切なこと忘れて…… 『全く起きないから心配したぞ。どうやら上手くシンクロできたようだ』 また男の声が聞こえてきた。自分の中から……。中やと…! 「あ…あぁぁぁ!!!そうだったぁぁ!俺、悪魔と契約したんだったぁぁぁ!!」 とたん思いだして叫んだ。 『悪魔ってな…。失礼な小娘だな。それに女の子が俺って言うな』 男の声が不満たっぷりに言い返す。 「るせー!つか、何がどうなったのよ!?もしかして私何か変わってる??」 一瞬思ってゾクッとして鏡の前に立つ。さして変わったところはないが… 『外見は発動しない限り変わらんよ。説明するから落ち着け』 男の声がたしなめる。とりあえず深呼吸をして床に正座する。 「で…どうなってんの?んであんたは…」 『俺はナイトメアだ。今、俺はお前の中にいる。お前に力を分け与えるためには俺が中にいなくてはいけないのだ。 実際戦う時にはシンクロをして俺の力を使うことができる。その時には外見も変わるが、気にするな。 先ほども言ったが、これから邪悪な者共と戦ってもらう。やつらは不定期に現れるからな。 まずは、基礎能力の向上を』 「ちょぉぉっとまったぁぁぁ!!!」 づらーっと並べられる言葉に着いていけなくなってあわてて止める。 『何だ?わからないことでもあったか?』 ナイトメアが心配そうに言う。 「確かに途中からさっぱりなんだけど、ナイトメア…長いからナイトって呼ばせてもらうわ。 えっと…もしやあたしゃ人間じゃなくなっちまって……?」 恐る恐る聞いてみた。ナイトは当然のように 『そりゃーな。流れ星に当たった時点で生きてるのが可笑しいぞ』 こいつズバッと言ってくれた。 「え…なにそれ…ハハハ…僕はもう死んじゃってたと…?は、ハハハ」 パニックになってひきつった笑いが出る。 死んだ?なにそれ?人間じゃないの? じゃあ私は一体何なの? .
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