冷凍少女と解凍少年

公園

明るくて面白くてノリがよくてかわいくてかわいくて、モテモテだ。

かわいくては何個つけたって足りない。

男友達も女友達も多い。

ぼくはここまで完璧な人に今まで出会ったことがなかった。

でも、失礼なことを言わせてもらうと、ぼくのタイプではなかった。

ぼくはもっとおとなしくて控えめな子が好きなんだけど、顔は歩美ちゃんのでもいい。

……なんて、偉そうなことを口に出しては言えないけれど。

つまりまあ歩美ちゃんっていう存在は、付き合いたいとかそういうのを別にして、一緒に遊んだっていうだけで羨ましがられる存在なわけ。

たとえ場所が公園でもね。

あー、あと菊池は前黒田と同じクラスだった男。

こいつはまあ普通の男だ。

でも菊池なんて今はどうでもいい。

……補足説明すると、俺の幼なじみだ。

「なんで公園？」

「俺らのたまり場みたいなとこなんだ。４月くらいから。お前、絶対みんなと仲良くなれるから来てみろよ。」

……なるほど。

こいつは部活をやめてからずっとそのたまり場とやらで暇を潰していたんだな。