公園

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公園に行って何をするわけでもなく、みんなでだらだら時間を過ごす。 公園にある中央の屋根付きベンチの近くで、一人ひとりが思い思いの時間を過ごす。 「そろそろ山行く!」 女子の一人がそう言うと、みんなぞろぞろとベンチを離れて山に向かう。 どうやらお決まりのパターンみたい。 男子も女子も関係なく喋るって、ちょっと新鮮だった。 クラスの女子とは何か距離を感じて上手く笑えないこともあるからな。 誰と誰が喋っても誰も何も言わない。 だから気が楽だった。 ……でも、そう思っていたのはぼくだけで、みんな誰かに恋をしていて、小さな嫉妬とか喜びがそこにはある。 そうやって黒田に教えてもらうまではぼくは、ここには友情しか存在しないと思い込んでいた。 みんなが集まるのには理由があった。 だらだらしたい。 楽しくしてたい。 青春っぽいことしたい。 夕日を背後に写真を撮ったり、箱アイスを買ってみんなで食べたり、自転車で2人乗りしたり……。 高校生のうちしかできないのかなってことをしたい。 そういう理由。
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