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そう言えば羽矢は剣を作ってくれる条件で『何か面白い事をしてください』と言っていたような気がする。
「え~と……布団が吹っ飛んだ!」
「ぶはっ!わらっ、笑わせないで下さい竜牙君……!」
「ええ~!?」
そんなんで良いのかと竜牙は疑問を抱く。
今度はもうちょっと高尚な笑いを……
「読書とといて献血とときます」
「え?その心は?」
「どちらも知(血)が得られるでしょう!」
「笑えません。何ですかそれ?」
「え……?ダジャレは良くてなぞかけは駄目なの??えぇ~?」
竜牙はやっぱりショックを受けて何で?と自問自答を繰り返す。
だがお陰で羽矢はようやく落ち着いてくれたようだった。
「落ち着きましたか剣山先輩?」
「……剣山は嫌です」
「え?」
「いえ別に他人行儀な名字が嫌と言うわけではなくてですね……!ただ単に剣山と呼ばれるのが嫌なんです。ですから私の事は『羽矢』と呼んで下さい」
「はい。分かりました剣山先輩が……っと、違う違う!『羽矢先輩』がそういうならこれからは羽矢先輩って呼びます!」
「はい……それで良いんです……全く」
竜牙に初めて名前を呼ばれて、羽矢は少し照れくさそうに目を細めていた。
「それでは私は剣の材料を取りに行きます」
「あんな危険な目に遭ってまだこの島に残るんですか!?」
竜牙は慌てて羽矢を止めようとするが、彼女の次の言葉に動くのを止めた。
「ええ……だって、材料がなければ貴方の剣を作れないでしょう?」
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