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「ええ。例えばこの家だってこんなにも旧い造りになのに痛んでないし、それに____」
「日の沈むのが遅いって言うんだろ。」
蒼甫の言おうとしていたセリフを先取りして、佐伯が答える。
「お前さんの思っている通り。ここは俺達の知っている世界とはちょっと違う、特に時の流れとかな。」
「やっぱり。じゃあ、ここに住めば年も経りにくいのでしょうね。」
その質問に久賀はやや眉を顰める。しまった、何か気に障ることを言ってしまったか。
「いや、どうなんだろうな、試してないからわからねぇな。 蒼甫さん、藪から棒な質問だが<来襲>に出くわした事はあるかい? 」
来襲
ずっと田舎育ちの蒼甫に実感はない。ただ、 来襲は主に都市部で起こるという知識があるだけだ、瘴気が意思を持つがごとく、人々を襲うのだと。
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