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「いえ。僕は遭遇したことはないですね。」  「そうか。まぁ、この国じゃあ来襲は少ないからな。 で、なんだ何を言いたいかっていうとな____」  佐伯は先を速めて話す癖があるらしい 「ここは常世なんだ」ドンドンと板張りの廊下を叩いて示した。  「え?!」  常世だって  「じゃあ、それって瘴気が……、危険じゃないですか!」 声を荒げてしまった。まさか常世だなんて。  「でけえ声出すんじゃねぇよ。今日ここに居る面子は、鬼も泣いて逃げる奴らばっかだ。お前は心配すんな。 それよりとっとと着替えろ」  鬼も泣いて逃げる  それは凄い面子だ。蒼甫は佐伯の自信に頼もしさを覚えた。(失礼ながらそれこそ鬼の如く厳つい)外見や口の悪さを差し引いても、人を安心させる何かが佐伯にはある。きっと女性にもモテているだろう。
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