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そこに書かれた短い文章。
私はそれを一生忘れないだろう。
字の質も、大きさも。
すべてが脳に刻まれるかのように、鮮明と憶えているだろう。
“俺、今、最高に幸せだよ。そして、これからも 永遠の夢を”
「お兄ちゃんが僕のこと守ってくれたの。命がけで助けてくれたの。なのに、お兄ちゃんいないの。なんで、なんでなの。・・・っ、わああああんっ!」
声を上げて泣いた少年。
それを見ていた私も、いつしか声を上げて泣いていた。少年を抱きしめる。
「ごめんねっ。・・・っ、ごめんねぇっ!」
声が枯れるまで泣きあった。
私はバカだった。晃くんが望んだ結末を恨んでしまった。
だから私はずっと少年に謝り続けたのだ。
晃くん、おめでとう。
お願い、叶ったね。
寒かった夜。そんな日の出来事だった。
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