一章

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   小さなことで俺の人生は路線からはずれた。     今考えれば、 とても後悔している。     高校一年の春のときだった。   一人の男子生徒がいじめにあっていた。       しかし、クラス全員がそれを黙認していた。     俺もその中の一人。     友達と影で話すことしか出来ない最低野郎だった。     もしも口を出したら、 自分がいじめの対象になってしまう。     みんなそう考えていただろう。        そんな日々が過ぎたある日、 そこから大幅に路線変更が始まった。     当時俺には好きな人がいた。     とても清楚な感じの優しい子。     俺のど真ん中ストライクという感じだった。     俺は友達に力を借りて彼女のアドレスをきき、 それなりに親交を深めた。    そして、 メールをしていった過程で、 いじめにあっている男子生徒の話にいきついた。     ひどいことするよね、 とかそんな内容。     だからこの日、 俺は調子にのっていた。     いじめの仲裁にはいったのだ。   好きな人の前でカッコウつけたい。     そんな理由で。
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